信託をしても、自益信託で要件を満たせば、特別控除の特例や税額軽減の制度を使うことができます。信託後の信託財産である実家などの不動産は、税法上、受益者が有しているとみなされているからです。
不動産信託で活用したい制度は、下記の通りです。
①居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例
②相続時における配偶者の税額の軽減
③相続した事業の用や居住の用の宅地等の税額特例(小規模宅地等の特例)
④居住用不動産の配偶者控除
信託をしても、自益信託で要件を満たせば、特別控除の特例や税額軽減の制度を使うことができます。信託後の信託財産である実家などの不動産は、税法上、受益者が有しているとみなされているからです。
不動産信託で活用したい制度は、下記の通りです。
①居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例
②相続時における配偶者の税額の軽減
③相続した事業の用や居住の用の宅地等の税額特例(小規模宅地等の特例)
④居住用不動産の配偶者控除
自益信託で、信託設定時から終了時まで受益者の変更がなく、信託終了したときに所有権を取得する人(帰属権利者)が委託者に相続人のときは、相続の登録免許税が適用になることから、登録免許税は4/1000で、不動産取得税は非課税になります。
受益者が不動産を相続することにより、軽減税率になりますが、相続人が委託者の地位を引き継いだ受益者であれば、次の受益者の登録免許税でも軽減税率に適用がございます。
「信託契約終了に伴い受益者が受ける所有権の移転登記に係る登録免許税法第7条第2項の適用関係について」平成29年6月22日照会回答
登録免許税法第7条第2項には、同条第1項第2号の規定における「信託の効力が生じたときから引き続き委託者である者に限る」のように、信託の効力が生じた時からその信託の信託財産を受益者に移すまでの間の受益者を限定する規定は設けられていないことからすれば、同条第2項の規定は、信託財産の移転を受ける受益者が「信託の効力が生じた時における委託者の相続人であることを要件としているのであって、信託の効力が生じた時から引き続き委託者の相続人が信託財産の元本の受益者であることまでを要件としているものではないと解するのが相当です。
日頃からお付き合いのございます京都で8店舗を持つ不動産賃貸業者の株式会社アルティム様の会社報アルティム通信の記念すべき第1号に、家族信託に関する記事を書かせて頂きました。
折角、こういう機会を頂きましたので、沢山の不動産を持たれる地主さん家主さんにも、家族信託の制度を知って頂ければ嬉しいです。一考に値する制度であると信じております。
記事内容
認知症対策に「家族信託」
ここ数年で、認知症対策としてニーズが高まっております「家族信託」のこと、ご存知でしょうか?家族信託とは、簡単に言うと、財産を信頼できる家族に託して自分の代わりに管理してもらう制度のことです。認知症で判断能力がなくなると、金融機関の窓口で取引が出来なくなり、自宅や賃貸アパートなどの不動産の売却が出来なくなります。その際、成年後見人を付ければ出来るのですが、家族が後見人になれるとは限りませんし、生前贈与などの相続税対策は認められません。その為、判断能力があるうちに家族信託の契約をしておきたいという方が増えているのです。
この手続きを選択した場合にも、もちろん費用は掛かりますが、自宅を売って老人ホームの費用を賄いたい人や積極的な相続税対策をしたい方には、一考の価値がある制度だと思います。ご興味持たれた方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談下さいませ。
不動産の火災保険や地震保険などは、建物所有者が保険契約をしています。
不動産信託における保険手続きは必ず行いましょう。
信託による名義変更であり、実質的所有権移転ではないこと。
保険金請求権は当初の所有者である受益者にあること。
などを説明して、手続きをお進め頂ければと思います。
信託契約を締結し、不動産登記をすることにより不動産は受託者名義になることから、固定資産税台帳には受託者が記載され、固定資産税の納税通知書は、受託者宛に届くようになります。
もし、同一市区町村に不動産を所有していると、固有財産としての固定資産税と信託財産の固定資産税が一緒に請求されてきます。
それぞれの税額の明細が書かれていない場合は、受託者自身において計算し、それぞれ、固有財産と信託財産からの支払いが必要となります。
受益者等がいない場合とかは、信託期間の全部または一部において受益者等が存在しない場合です。
受益者が存在する信託では、原則として受益者が信託財産を有するものとして受益者に課税されますが、受益者がいない場合、受託者が個人でも法人でも会社とみなして法人税の課税がされてしまいます。
なので、信託のどのような場面であっても受益者は必ず存在するように設計する必要がございます。
例えば、ペットを大事にする高齢者がペットの為に財産を残したいという意向があり、ペットを受益者とするような信託を設計すると、受益者がいない信託に該当してしまい受託者に課税されてしまうので、注意を要します。
昨日の続きです。
登録免許税法第7条第2項は、
要件① 信託の信託財産を受託者から受益者に移す場合 であって
要件② 当該信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である場合において、
要件③ 当該受益者が当該信託の効力が生じたときにおける委託者の相続人であるとき
と規定していることから、その適用にあたっては、各要件を満たす必要があると考えられます。
委託者の地位については、帰属権利者に指定されている実子に、委託者の権利については、相続により承継されることなく消滅し、受益者の地位及び権利は、相続により承継されることなく消滅した上で、信託財産について、残余財産帰属権利者としている唯一の法定相続人である実子が取得するという内容の信託契約書の内容であった場合、委託者の死亡により、本件信託は終了し、帰属権利者として信託財産を取得するので、要件①を満たさないと思われるが、登録免許税法には、「受益者」の定義がないので、権利帰属者が受益者にあたるか否かについては、信託法の定義にて判断することになるはずです。
信託法では、「受益者」とは、受益権を有する者をいい、また、「受益権」とは、信託行為に基づいて受託者が受益者に対して負う債務であって信託財産に属する財産の引き渡しその他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権及びこれを確保するために信託法に基づいて受託者その他の者に対し、一定の行為を求めることができる権利をいう旨規定されています。
そして、また信託法では信託が終了した場合においても、その清算が結了するまで信託はなお存続するものと擬制され、残余財産帰属権利者は、当該清算中受益者とみなされる旨規定されています。
すなわち、残余財産帰属権利者である乙は、本件信託の清算中、受益者とみなされますので、乙は登録免許税法の受益者に該当することとなります。
よって、本件登記は、本件信託の清算受託者である乙から、本件信託受益者乙に対する所有権移転登記であることから、要件①を満たすと解するのが相当です。
要件2は、本件特例の対象となる信託として、委託者のみが信託財産の元本の受益者となる信託であることをその要件としているところ、本件信託においては、甲が死亡するまでは、委託者が受益者であり、また委託者の死亡後は、委託者から委託者の地位を取得した乙のみが残余財産帰属権利者(受益者)であることから、同要件についても満たしていると解するのが相当です。
そして、乙は、本件信託契約の効力が生じた時における委託者である甲の相続人であることから、要件3についても満たすこととなります。
以上のとおり、本件登記については、本件特例の趣旨にも反しておらず、本件特例に係る各要件を全て満たしているものと解されることから、その適用があるものと考えられます。
信託財産を終了したことに伴う不動産に係る所有権移転登記について、登録免許税法第7条(信託財産等の課税の特例)第2項の規定が適用され、相続による所有権移転の登記とみなして登録免許税が課されるとどうかは、次のことに掛ってきます。
登録免許税法第7条第2項は、
要件① 信託の信託財産を受託者から受益者に移す場合 であって
要件② 当該信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である場合において、
要件③ 当該受益者が当該信託の効力が生じたときにおける委託者の相続人であるとき
と規定していることから、その適用にあたっては、各要件を満たす必要があると考えられます。
あけましておめでとうございます。日頃のご愛顧ありがとうございます。
本年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
当サイトを開設したのは、家族信託・民事信託という制度が今の世の中に必要な制度であると感じたからでございます。
活用事例や解決事例の紹介、掲載記事の紹介、セミナー報告など、現時点のリアルな家族信託・民事信託に関するところを当サイトによりこの制度の良さをもっと知ってもらって、一人でも多くの方に、この制度を活用してもらえることを望んでおります。そして、ご希望を叶える家族信託が組成され、この制度を選択してよかったと心から感じてもらえるような信託組成をお手伝いさせて頂けることが、この上のない幸せに感じております。
本年も数多くの信託組成に携わらせて頂ければ幸甚に存じます。
そのことで、さらにこの家族信託制度が普及し、少しでも社会の為になっていると感じられることが我々の誇りであり、努めであると考えております。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
平成30年12月26日日本経済新聞にて、デカデカと家族信託に関する記事が掲載されておりました。
金融機関の今後の対応がどうなっていくのか興味があるところですが、信託口口座が開設できないときに受託者名義の口座が信託財産であることを信託契約書に明記することで、税務署に対して贈与でないことを説明することが可能という踏み込んだ解説があったのが印象的でした。
認知症になってからでは、何の対策も出来ません。
問題が生じ出してから、すぐのタイミングが導入する最後のチャンスです。
これは、家族信託・民事信託はもちろんのこと、遺言や生前贈与、保険加入についても同様なことが言えます。
認知症というキーワードをお聞きになられたら、何らかすべきことがないかを是非、お客様に伝えてほしいが為に、保険代理店向けに家族信託セミナー講師も引き受けさせて頂きました。
手遅れになる前にすべきことを伝道師として身近に伝えられる保険営業マンの今後の役割は非常に大きいものだと感じております。
だから、今後も保険営業マンの方々には、家族信託・民事信託のことお話していこうと思います。
家族信託について、ご存知ない方がまだまだ多くいらっしゃると思います。
認知症になったら、何が困るのかを含めて初歩的なところから、お伝え発信していく必要性を感じました。
皆様が、認知症になる前にしておかなければならないこととして当たり前にように、家族信託・民事信託を認識する時代がくることを信じて、今後も活動していきたいと思っております。