先月、京都高齢者あんしんサポート企業になりました!

法律的なことだけではなく、高齢者である依頼者様の想いをしっかり聴いて、想いを実現できる民事信託契約書や任意後見契約書や遺言書を作成する為、高齢者との接し方が大事になると思います。想いを託す委託者である高齢者の方のことを理解するために、当事務所は、今年から一定の研修を受け、京都高齢者あんしんサポート企業となりました。

学んだことを活かして、業務を進めて参りたいと思います。

取扱い銀行により違う信託口口座開設実務

いよいよ、近畿圏でも、家族信託・民事信託の普及が加速するような、信託口口座開設に対応できる銀行取扱いが増えてまいりました。

 

信託口口座を開設する銀行によって、手続きも要件も全く異なりますが、実務家としては、それを依頼者様に提供できる様、情報収集しておくことが肝要だと思っております。

銀行によっては、いくらいくらの金額以上の信託財産がないと口座開設が出来なかったり、口座開設に手数料が必要であったり、口座開設に受託者だけで良い銀行もあれば、委託者と受託者ともに口座開設に銀行にいかなければならない所もございます。

事前に銀行内のリーガルチェックが必要なのが原則ではありますが、もう既に作成されている信託契約公正証書でも口座開設が可能な銀行もございます。

一つ担当窓口で口座開設する銀行もあれば、口座開設する支店担当者(誰でも)を通じてリーガルチェックを含めて進んでいく銀行もございます。

銀行の取扱いも日々変わっていくものと思います。

そういった最新情報を収集するためにも、当事務所では、色々な勉強会やセミナー、民事信託に関する団体に加盟している次第でございます。

最新の情報に基づいて、依頼者様に応じて、信託口口座の開設も銀行を選ぶことができる時代がやっと来ました。

信託組成により、これからが本当にお役に立てられる時代となりそうな気がします。

 

どうぞ、お気軽にお問合せ下さいませ。

相続紛争統計から家族信託を考える

厚労省HPによりますと、昨年平成31年・令和元年の人口動態統計で、出生が864000人、死亡が1376000人ということで、512000人が自然減少している状態でございます。この数は、東大阪市や姫路市の人口に匹敵する数字で大きな人口減少の時代であります。

それに伴い、裁判所の新受全事件数は、最高裁判所『裁判所データブック2019』によると、10年前に比べて、全体としては約2割減でありながら、家事事件は、約4割増えているとのことです。

人口減少から考えてみると、家事事件の増加は著しいものだと思います。

自筆証書遺言の検認手続きも約3割増加、公正証書遺言も4割以上増加しております。

高齢化に伴い、相続紛争も増加しているということだと思います。

その中で、家族信託が果たす役割は大きいと思います。

生前に、本人の意思が実現でき、家族会議を行うことで、紛争なく権利承継を可能することができるのではないでしょうか。

家族信託がもとで、紛争が生じることが無いように、専門家として、関与させて頂くことがこれからの優秀な専門家として必要になる資質ではないかと思います。

 

その為にも、沢山の事例に、文献はもちろんのこと、実際に自事務所で受託し、研究を続けていくことが必要だと思います。

 

家族信託が有効に機能するご家族かどうか判断がつかないこともあろうかと思います。

初回相談は無料でさせて頂いております。

お気軽にご連絡くださいませ。

 

地方自治体等公的機関との連携して家族信託推進

先日とある地方自治体の空き家対策の担当者様よりご連絡を頂き、家族信託・民事信託についての実情についての問合せがございました。

家族信託・民事信託の利用促進になればと思いまして、包み隠さず、沢山お話させて頂きました。

また、先日とある地域包括支援センターの社会福祉士の方からも、利用について問い合わせがございました。

いよいよ、公的機関も家族信託・民事信託に目を向ける時代になってきたことを実感する瞬間でした。

それぞれのご家族に必要な手続きの中で、家族信託・民事信託が今取るべき選択肢としてふさわしいケースもあろうかと思います。その時に、家族信託・民事信託が選択肢になっていないことが無いように業界としての広報も含めしていかなければいけないと思います。

そして、地域の公的機関と連携して、この制度を利用推進することで、将来の不都合を回避できる方を増やしていけたら嬉しく思います。

老後の備えに民事信託・家族信託

当事務所も会員となっております家族信託普及協会発行の本を紹介したいと思います。

様々なアンケート結果の記載があったり、データがあったりで、説得力のある内容となっておりました。

内閣府の調査によれば、日本の高齢者は半数以上が現在の貯蓄や資産について「老後の備えとしては足りない」「全く足りない」と考えており、老後の為の備えを特に何もしていないという回答が42.7%と諸外国に比べ突出して多いのも日本の高齢者の特徴とのことです。

それにもかかわらず、ご自身が要介護状態になった場合について訊ねると、将来介護が必要になった場合も、その費用は自分の裁量で、現在所有する資産や収入からまかないたいと考える方が88.3%にまで達しております。

 

万一、「認知症」や「脳卒中」などによって、意思判断能力を阻害されるようなことがあると、本人による財産管理や資産運用に必要な契約行為に一定の制限が掛かり、これでは肝心の介護費用もご自身で賄うことが出来なくなります。

資金の自由な引き出しはもちろん、金融資産のみならず、不動産資産の活用や売買契約も困難な為、「老後は自宅を売却して施設に入所したい」「自宅をリフォームして妻子に残したい」などの計画があっても、実現できなくなるのです。

そして、一番の問題は、ご自身が意思判断能力を失った時「預貯金が凍結される」「自己所有不動産の売買や賃貸が出来なくなる」という現実をご存知ない方が非常に多いという事実なのです。

 

このことを認知した上で、老後の自分自身がどのように生活していきたいか、万が一意思判断能力が失ったらどうするかを健康なときに仕組み作りをしていくことが大事だと思います。

具体的には、終活(エンディングノートの作成)、任意後見制度の利用または、家族信託・民事信託の利用(あるいはそれらの併用)を検討するということです。

 

日本公証人連合会が2018年『民事信託」2223件と発表

 

 

高齢者の財産などの処分や管理を家族らに託す「民事信託」の公正証書の作成件数が2018年に2223件だったことが1日、日本公証人連合会の初調査で分かった。遺言や成年後見制度よりも財産管理の自由度が高いことから増加傾向にあるという。

同連合会によると、民事信託は親(委託者)が子(受託者)に財産管理を託すことが多いため「家族信託」とも呼ばれる。増加傾向にあるとして18年から統計調査を開始。18年1~6月と19年1~6月を比べると前年比22%増だった。民事信託の公正証書作成は義務ではなく、総数はさらに多いとみられる。

例えば独居の親が自宅を子供に信託しておけば、その後、老人ホームに移った際、空き家になった自宅を売却して入居費などに充てることができる。成年後見では不動産売却に裁判所の許可が必要になることもあるが、信託なら不要で自由度が高いという。

認知症などで判断能力が乏しくなる前に信託契約する必要がある。信託で死後の財産の移転先を指定できるため、遺言書と同等の役割も果たす。日本公証人連合会の大野重国会長は「老後に備える『終活』に取り組む人が増える中、民事信託と任意後見制度を組み合わせて利用することも多い」と説明する。

同連合会によると、病気が末期状態の終末期に延命治療を望まない意向を公正証書で表明する「尊厳死宣言」も増えており、18年は1906件。遺言の公正証書も18年は11万471件で過去最多だった。

三井住友信託銀行民事信託実務家支援セミナーに参加してきました!

毎回参加させていただいているセミナーですが、現状を把握させて頂くのに凄く有難いセミナーです。

今回は、民事信託における信託法の基本条項の解説など、法律的裏付けの話もあり、初心に帰って学べてよかったと思います。

また、民事信託マーケットの動向についてもご報告がございました。

全国で、家族信託案件が3000件は超えてきているようです。

その中での組成の担い手として司法書士が73%を占めているとのことでした。

その理由は、不動産にマッチする制度だからだと思います。登記のエキスパートでないと、信託目録の文言や名義変更、最終の帰属権利者への移転登記のことまで総合的に考えることはなかなか難しいのではないかと思います。

 

また、組成案件のうち首都圏が63%を占め、近畿圏が24%とのことです。

ということは、推定720件が近畿圏で組成されているということです。

 

信託銀行さんの方も、民事信託専用クレジットカードなど様々なサービスを始められております。そういう情報も実際の信託組成の依頼者様には必要な情報となります。

そういう情報収集も我々の仕事として今後も引き続き努力したいと存じます。

家族信託をした場合、税務署への届出は必要か?

「Q.家族信託をした場合、税務署への届出は必要か?」

 

A.次の①~④で必要となる可能性あり。

 

① 信託設定時(信託の効力が生じた場合)

② 信託変更時(受益者や権利内容の変更した場合)

③ 毎年1/31までに税務署に提出するもの

④ 信託終了時(信託に関する権利の放棄があった場合、権利が消滅した場合を含む)

 

✓①の場合

受託者は、信託の効力が生じた場合、当該効力発生月の翌月末日までに、信託財産の種類・所在場所・価額等を記載した調書及び合計表を税務署に提出する必要がある。

※但し、次の場合には提出不要。↓

・自益信託の場合(委託者=受益者)の場合。

  • 受益者別に計算した信託財産の相続税評価額が50万円以下の場合。

*家族信託では受益者をベースに課税関係を考えるため、委託者=受益者の場合、信託前の財産の所有者(委託者)と、信託後の財産の所有者(受益者)が同一人物であるため、信託財産の経済的価値は移転していないと考える。つまり、所有者が実質的には変更されていないと考えるため、信託設定時に課税関係は生じない。

 

✓②の場合

受託者は、信託の変更があった場合、当該効力発生月の翌月末日までに、信託財産の種類・所在場所・価額等を記載した調書及び合計表を税務署に提出する必要がある。

※但し、次の場合には提出不要。↓

・受益者別に計算した信託財産の相続税評価額が50万円以下の場合

 

✓③の場合

受託者は、毎年1月31日までに、前年の信託財産の状況等を記載した信託の計算書及びその合計表を税務署に提出する必要がある。

※但し、次の場合には提出不要。↓

・1年間の信託財産に係る収益の合計額が3万円以下(計算期間が1年未満の場合には1万5千円以下)の場合 。

信託財産が、収益を生まない自宅や未上場株式等の場合はこれに該当する。

*信託の計算書には、信託財産に係る資産・負債及び収益・費用等を記載しなければなりません(所得税法227条)。

 

「不動産所得に関する明細書」

受益者が個人の場合に信託不動産からの収益があると、当該受益者は確定申告書に次の書類を添付する必要があります。

  • 通常の不動産所得に関する書類(収支内訳表など)
  • 信託から生じる不動産所得に係る明細書

→信託不動産に関する賃貸料や減価償却費、借入金等を記載

 

✓④の場合

受託者は、信託の効力が生じた場合、当該効力発生月の翌月末日までに、信託財産の種類・所在場所・価額等を記載した調書及び合計表を税務署に提出する必要がある。

※但し、次の場合には提出不要。↓

・残余財産がない場合

・信託終了直前の受益者が残余財産の給付を受けず、帰属者とならない場合

・受益者別に計算した信託財産の相続税評価額が50万円以下の場合

家族信託・遺言アンケート② 司法書士京都

当事務所では、品質向上のため、遺言・家族信託アンケートを実施しております。
当事務所が、お客様のニーズにあったサービスが出来ているか、見直すためには、必要な作業と考えております。

家族信託を組成させて頂きましたお客様よりアンケートに回答して頂きましたので、ご紹介させて頂きます。

お母様の所有する大型の収益物件の建替えを直近に控えているけれども、具体的にはまだ、決まっていないけれど、お母様の意思が減退していったら、建替えが出来なくなるんじゃないかという不安であるご家族からのご依頼でした。建物を壊す判断も当然所有者がしなければなりません。現実的な管理も既に息子さんに全部任せているという案件でしたし、信託組成をする際にも、他の兄弟ともしっかり話し合っての組成でしたので、このことで争いが生じることは考えにくい事案でした。

この案件は、ご依頼のご家族がNHKのクローズアップ現代での家族信託の特集番組をご覧になられて、そのご家族の顧問の税理士から紹介を受けた司法書士に相談したところ、よく分かっていない感じだったので、当事務所に来られたケースでした。

そして、何より、嬉しかったのは、最後に信託口座を開設して、お別れする際に、建物建替えの時の登記もお願いしますねって言われたことでした。

インターネットをはじめ、文献によっては、家族信託に関する間違った情報も入り乱れております。

当事務所でも5年程前の取組み当初では文献を信じるしかなかった部分がございましたが、ある程度勉強を重ねた結果、かなり書いてあることが間違っているというか偏った文献もあるということに気付けるようになりました。その実務の中で培った当事務所として、最良の信託組成の提案が出来るように今後も精進していく所存でございます。

インターネットで依頼する司法書士を探しているケースの場合、取組み経験数を参考になさるのも一つかとも思います。

我々も、こういうニーズを喚起し、手続きをさせて頂き、お客様の不安を取り除くことが出来、お客様に喜んでもらえたら、何より嬉しい話です。
だからこそ、この制度をもっともっとたくさんの方に知ってほしい。
だからこそ、小さな事かもしれませんが、こういうサイトで情報を更新することで、目に触れる可能性を増やす努力をしております。

皆様の周りで、将来の資産承継のことやご両親が認知症になったらどうしようと悩んでいらっしゃる方はおられませんか???

もしいらっしゃったら、是非一度、当事務所にお繋ぎ下さい。
不安を安心に変えることが出来ると思います。

受託者に専門家がなることは出来ませんが・・・・

弁護士や司法書士の専門家が財産管理をするときに、財産管理契約をするケースはあろうかと思います。

そういった専門家を受託者とする信託契約はできるでしょうか?
答えは出来ません。なぜなら、信託業法では「信託の引き受けを業として行う者は、免許を受けた信託会社でなければならない」旨の定めがあるからです。報酬がなければよいのかという議論もあるようですが、法律専門職としての司法書士業をしているものが無報酬ですることにはやはり抵抗がございます。

信託口座の管理については、現実的には、受託者が定める第三者への委託ができる定めで持って、事務取扱上、受託者口座の代理人手続きをすることで実際は、弁護士や司法書士が管理をすることも可能でしょうし、信託監督人や受益者代理人として専門家が関与することもあろうかと思います。

受託者借入について

今回、近い将来に建替えを検討されておられ、借入を視野に入れての信託組成案件なのですが、将来的な受託者借入については、事例が非常に少ないとの話を民事信託対応の銀行さんからお聞きしました。

しかも、税務当局で、受託者が借り入れたものが、委託者の債務となり相続対策になるのかは判断できないことを留意点として指摘されました。

受託者での借入で対応できる案件は、具体的な建築計画ができていて、融資審査と並行して信託契約書案文のチェックを行える案件である必要があることから、具体的な案件でない場合は、実際に借入する際に、信託契約書の変更を強いられるケースもあるようですので、注意が必要です。

後継受託者の定めについて

第2受託者の定めは信託口座開設に必須なのですが、今回口座開設の為、銀行による契約書案のリーガルチェックでご指摘があったのは、後継受託者の指定方法についてでした。

『第二受託者が就任できない場合、または第二受託者の任務が終了した場合、現に受益権を有する受益者(以下、「現任受益者」という。)又は現任受益者の成年後見人・保佐人・補助人・任意後見人(以下、「成年後見人等」という。)が後継受託者を指定し、前任の受託者の地位を承継させるものとする。』という文言では足りず、『受益者が速やかに書面により選任し、その書面は公証人の認証を得るものとする』といった内容まで必要になるとのことでした。

委託者がご高齢の為、実際に想定上あまりないような、第二受託者の定めのケースである今回のようなケースでも、後継受託者の指定方法を明確にすることが信託口座を開設する銀行にとっては大事なことなんだということが分かりました。