当事務所も会員となっております家族信託普及協会発行の本を紹介したいと思います。
様々なアンケート結果の記載があったり、データがあったりで、説得力のある内容となっておりました。
内閣府の調査によれば、日本の高齢者は半数以上が現在の貯蓄や資産について「老後の備えとしては足りない」「全く足りない」と考えており、老後の為の備えを特に何もしていないという回答が42.7%と諸外国に比べ突出して多いのも日本の高齢者の特徴とのことです。
それにもかかわらず、ご自身が要介護状態になった場合について訊ねると、将来介護が必要になった場合も、その費用は自分の裁量で、現在所有する資産や収入からまかないたいと考える方が88.3%にまで達しております。
万一、「認知症」や「脳卒中」などによって、意思判断能力を阻害されるようなことがあると、本人による財産管理や資産運用に必要な契約行為に一定の制限が掛かり、これでは肝心の介護費用もご自身で賄うことが出来なくなります。
資金の自由な引き出しはもちろん、金融資産のみならず、不動産資産の活用や売買契約も困難な為、「老後は自宅を売却して施設に入所したい」「自宅をリフォームして妻子に残したい」などの計画があっても、実現できなくなるのです。
そして、一番の問題は、ご自身が意思判断能力を失った時「預貯金が凍結される」「自己所有不動産の売買や賃貸が出来なくなる」という現実をご存知ない方が非常に多いという事実なのです。
このことを認知した上で、老後の自分自身がどのように生活していきたいか、万が一意思判断能力が失ったらどうするかを健康なときに仕組み作りをしていくことが大事だと思います。
具体的には、終活(エンディングノートの作成)、任意後見制度の利用または、家族信託・民事信託の利用(あるいはそれらの併用)を検討するということです。