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停止条件付の家族信託

2021年10月16日

即時発効しない信託契約を望まれる方は、結構いらっしゃいます。

例えば、委託者の認知症が進んで、保佐相当との医師の診断書が提出されることを効力発生条件とするなどの信託契約です。

この契約自体は、もちろん有効だと考えておりますが、実務上は、当事務所では、そのような契約書の作成は受け付けておりません。

 

なぜか??

どの時点で発効するのか分からない状態での契約は法的安定性に欠くでしょうし、条件成就の時には、委託者の判断能力の減退が進んでいるので、その時点での信託による名義変更の意思確認ができないことがその理由です。

 

逆に、委託者は元気であるから、信託契約は結ぶけれども、今まで通り、委託者で管理をしていきたいというご相談もたまにあります。不動産の名義も変えずに登記留保という手法も、家族信託が流行りだした頃、推奨する専門家がいるということは聞き及んでおりましたが、やはり、法的安定性を欠く結果になりかねないので、当事務所では、即時の名義変更を推奨しております。不動産だけでなく、金銭であれば、信託口口座の開設をせず、今まで通り管理をするということも契約と齟齬することになりますので、お勧めしておりません。

 

信じて託す信託制度を仮にしておく的な中途半端な運用は避けるべきです。

上記のような運用は、信託法34条2項違反ということになりそうです。

 

 

信託法(分別管理義務)
第三十四条 受託者は、信託財産に属する財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを、次の各号に掲げる財産の区分に応じ、当該各号に定める方法により、分別して管理しなければならない。ただし、分別して管理する方法について、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
一 第十四条の信託の登記又は登録をすることができる財産(第三号に掲げるものを除く。) 当該信託の登記又は登録
二 第十四条の信託の登記又は登録をすることができない財産(次号に掲げるものを除く。) 次のイ又はロに掲げる財産の区分に応じ、当該イ又はロに定める方法
イ 動産(金銭を除く。) 信託財産に属する財産と固有財産及び他の信託の信託財産に属する財産とを外形上区別することができる状態で保管する方法
ロ 金銭その他のイに掲げる財産以外の財産 その計算を明らかにする方法
三 法務省令で定める財産 当該財産を適切に分別して管理する方法として法務省令で定めるもの
2 前項ただし書の規定にかかわらず、同項第一号に掲げる財産について第十四条の信託の登記又は登録をする義務は、これを免除することができない。

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