【登場人物】 お母様(86歳)長女(56歳)次女(53歳)三女(51歳)
【内容】
お母様が施設に入居するタイミングで長女を受託者にして家族信託を組成した案件の3年後。委託者兼受益者であるお母様が、身罷られました。権利帰属者については、信託契約書に受益者の相続人と定められている。遺産分割協議にて、長女が単独で相続することが協議された。
【解決方法】
遺産分割協議書に受益者の相続人たる地位を長女が単独で相続することを明記することで、受託者である長女から死亡日信託財産引継ぎを原因として所有権移転及び信託抹消登記を申請し、長女へ1回の登記手続きにて相続登記を申請しました。
【効果】
認知症対策として組成した案件であったため、当初は、お母様が認知症になった場合に売却をすることを予定していたのだが、その前にお亡くなりになったケースでございます。
ここで、信託契約書上の権利帰属者が受益者の相続人としか記載されていなかったため、その相続人3名の名義に信託財産引継ぎによる所有権移転及び信託登記抹消登記をした上で、遺産分割を原因に長女単独名義に所有権移転登記を申請しなければならないかもしれないところ、遺産分割協議書に信託契約書内容を詳細に記載した上で、受益者の相続人たる地位を長女単独で承継することを明記することで、2回の登記手続きを1回にすることで、通常の相続登記と同様の費用負担にて手続きが出来ました。