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金融機関の信託口座開設事前確認

2021年07月29日

とある金融機関と信託口座作成についての打ち合わせをしている中で、契約書案の事前チェックの作業がありますが、いくつか細かい論点のご指摘をいただきました。今後の備忘録に情報を紹介しておきます。

ちなみに、通常、信託口口座開設 事前確認依頼書を提出してから10営業日はかかるのが通常とのことでした。

①受託者の同意がない限り、受益権の譲渡質入れその他担保設定等の処分はできない旨規定していたところ、受託者の 同意があっても処分ができない形にする必要がある旨指摘がありました。

②受託者の義務を善良なる管理者の注意義務とする規定を設けていたのですが、合わせて、その義務を怠らない限り責任を負わない旨規定していたところ、信託法第40条の受託者の損失てん補責任は、信託法92条で制限できない行為なので、善管注意義務より軽い義務違反があっても損失てん補責任を負うことから、善管注意義務違反以外の責任免除の規定の削除の要請がありました。

③第2受託者の指定なしでも信託口口座の作成はできる。

その際、奥様とかお子様がいることが確認できればよいとのことです。

参照条文

(受託者の損失てん補責任等)第四十条

 受託者がその任務を怠ったことによって次の各号に掲げる場合に該当するに至ったときは、受益者は、当該受託者に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。ただし、第二号に定める措置にあっては、原状の回復が著しく困難であるとき、原状の回復をするのに過分の費用を要するとき、その他受託者に原状の回復をさせることを不適当とする特別の事情があるときは、この限りでない。

 信託財産に損失が生じた場合 当該損失のてん補

 信託財産に変更が生じた場合 原状の回復

 受託者が第二十八条の規定に違反して信託事務の処理を第三者に委託した場合において、信託財産に損失又は変更を生じたときは、受託者は、第三者に委託をしなかったとしても損失又は変更が生じたことを証明しなければ、前項の責任を免れることができない。

 受託者が第三十条、第三十一条第一項及び第二項又は第三十二条第一項及び第二項の規定に違反する行為をした場合には、受託者は、当該行為によって受託者又はその利害関係人が得た利益の額と同額の損失を信託財産に生じさせたものと推定する。

 受託者が第三十四条の規定に違反して信託財産に属する財産を管理した場合において、信託財産に損失又は変更を生じたときは、受託者は、同条の規定に従い分別して管理をしたとしても損失又は変更が生じたことを証明しなければ、第一項の責任を免れることができない。

(信託行為の定めによる受益者の権利行使の制限の禁止)第九十二条 

受益者による次に掲げる権利の行使は、信託行為の定めにより制限することができない。

 第四十条の規定による損失のてん補又は原状の回復の請求権

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